二次障害・併存障害

  二次障害とは
自己評価の低下
うつ病との関連
反抗挑戦性障害
行為障害

うつ病との関連

 自己評価の低下が続く状態になると、抑うつ気分を伴います。しかし、どうしても問題行動が表に出てしまうため、うつ状態の存在が見逃されやすいこともあるようです。軽度発達障害の中でも、とりわけADHDをもつ子どもにうつ状態が認められやすいようですが、問題行動ばかり目につき、なぜ起こるのかという背景を考慮せずに怒られるといった悪循環が生じ、否定的な自己評価をしてしまいやすいからなのかもしれません。また、AD/HDの経過中に存在しているうつ状態が見逃されている可能性は否定できないそうです。

 うつ病の症状は、感情・思考・欲動といった精神面、身体面に対して出現してきます。代表的な症状は、次のようなものです。

<精神面>
・興味や関心がなくなり、楽しめなくなる
・知的活動などの能力・能率の低下
・意欲や気力、集中力がなくなる、不安

<身体面>
・食欲の増減・変化
・睡眠障害
・全身のだるさ

 また、これらの症状が朝方はひどく、夕方から夜にかけては軽くなるといった日内変動もしばし見られます。

 もし、ADHDをもつ子どもがうつ状態を併存している場合、ADHDに対する薬物療法を行ってしまうと、周囲が自分に対してどのように評価しているのかということを認識してしまうため、逆に自己評価の低下を促してしまうこともあるようです。子どもに対する的確な情報収集や観察をすることで、うつ状態の早期発見が必要です。


大うつ病エピソード 診断基準(DSM-IV-TR)

A.以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ二週間の間に存在し、病前の機能からの変化をおこしている。これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分または(2)興味または喜びの喪失である。
(明らかに、一般身体疾患または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まない。)

1. 患者自身の言明(例えば悲しみまたは、空虚感を感じる)か、他者の観察(例えば涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど一日中、ほとんど毎日の抑うつ気分(小児や青年ではいらいらした気分もありうる)。
2. ほとんど一日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退(患者の言明または他者の観察によって示される)。
3. 食事療法をしていないのに、著しい体重の減少、あるいは体重増加(例えば1ヶ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の食欲の減退または増加(小児の場合、期待される体重増加がみられないことも考慮)。
4. ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。
5. ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主的感覚でないもの)。
6. ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。
7. ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある)(単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。
8. 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(患者自身の言明による、または他者によって観察される)。
9. 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが、反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりした計画。

B.症状は混合性エピソードの基準を満たさない。

C.症状の著しい苦痛または社会的・職業的または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

D.症状は物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用または一般身体疾患(例:甲状腺機能低下症)によるものではない。

E.症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち愛する者を失った後、症状が2ヶ月をこえて続くか、または著名な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念慮、精神病性の症状、精神運動制止があることで特徴づけられる。