PDD 広汎性発達障害

PDD 広汎性発達障害とは

広汎性発達障害(Pervasive developmental disorder)

 広汎性発達障害(略称PDD)とは、「相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンにおける質的障害、および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群の障害」(ICD-10より抜粋)、つまり社会性や意思疎通の発達異常、興味・関心の範囲が狭い、反復行動、想像力の未発達などの特徴を持った障害のことを指します。

  一般的に自閉症の上位概念として認識されています。医学的にPDDの下位分類として自閉症(Autism)、アスペルガー症候群[障害](Asperger'ssyndrome)、レット障害(Rett's Disorder)、小児期崩壊性障害(Childhood Disintegrativedisorder) 、そして診断上これらに該当しないものをDSM-Wでは特定不能の広汎性発達障害(PDD-nos)、ICD-10では非定型自閉症として分類されています。
また、知的障害を伴わないものを高機能広汎性発達障害(High-functioning pervasivedevelopmental disorder : HFPDD)と言い、知的障害を伴わない自閉症を高機能自閉症(High-functioning autism)と言います。

  有病率は人口のおよそ0.5〜0.75%といわれており、その男女比は自閉症では3〜5:1、アスペルガー症候群では8:1と男児に多いことが知られています。知的水準は、自閉症の場合は正常範囲から重度まで幅が広いですが、アスペルガー症候群ではほぼ正常です。

   言語発達の問題は、自閉症では軽度から重度まで幅広いですが、アスペルガー症候群ではほとんど問題がみられない場合が多いようです。対人関係の問題は自閉症でもアスペルガー症候群でもみられます。イギリスの精神科医ローナ・ウィングは、さまざまな研究の中でカナー型、アスペルガー型といった枠に完全に当てはまらないものの類似性のある事例に幾つかあたりました。彼女は次第に、広汎性発達障害は自閉症やアスペルガー症候群などという個々の独立したものではなく、広い連続体(スペクトル)の一部として捉えるものではないだろうかと考えるようになりました。そしてこの連続体を「自閉症スペクトル」という名で提唱しました。
  ちなみにイギリスでは「広汎性発達障害」(Pervasive developmental disorder)という語は「障害」と名のつくことで混乱を招くものとして捉えられやすく、親御さんには不評で「自閉症スペクトラム」という語の方が好まれているそうです。また発達領域における広範な障害が見られ、認知機能面でのアンバランスさが見られることがわかり、物事を「聞いて」理解するよりも「見て」理解する方が優位だということも特徴として挙げられるようになってきました。

<PDDページ 参考文献>



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 現在「軽度発達障害」という言葉は障害の影響が軽度であるという誤解を受けるため、単に「発達障害」に改められましたが、当サイトではこのような経緯を理解しながらも、サイトの継続性を考えてこの名称を使っていることをご了承ください。、