PDD 広汎性発達障害

PDD - 分類

自閉症

1943年、アメリカの児童精神科医レオ・カナーが「早期幼児自閉症」という論文を発表しました。その後、彼の報告した症例に類似したものが多く発表され、「カナー症候群」と言われることもありました。

1960年代頃まで、「親の育て方が悪い」「愛情不足」といった養育環境を原因と捉えた心因説・後天的原因説が広がりました。カナーでさえ当初は愛情不足が原因だと考えていたようでしたが、後に訂正しています。

1960 年代に入り、マイケル・ラターらをはじめとする研究によって、現在では中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されており、「脳機能の異常によりもたらされる発達障害」という見解が持たれています。診断は国際的な診断基準(ICD-10、DSM-W)にもとづき行われます。また自閉症の代表的な特徴としてローナ・ウィングは「自閉症の三つ組」という次の3つを挙げています。

@対人関係(社会性相互交渉)の障害
Aコミュニケーションの障害
B想像力の障害

 カナーは論文の中で「生後30ヶ月以内に出現する」としており、現在の医療においてもほぼ3歳までに発症するという見解が持たれています。また他人との、社会的関係の形成の困難さ、言語発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害としています。その中でも、知的障害がみられないものは「高機能自閉症」と呼ばれています。

アスペルガー症候群

 1944年、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーは4名の少年の症例を挙げて「自閉的精神病質」という論文を発表しました。時は第二次世界大戦中、敗戦国側の言語となるドイツ語で書かれていたこともあり、英語圏の人々には注目されませんでしたが、その後アスペルガーの報告した症例に似たものが続々と報告されるようになり、1981年にローナ・ウィングがアスペルガーの論文を見直し、「アスペルガー症候群」という概念を提唱しました。

 アスペルガーの前年に発表したレオ・カナーも、「自閉」という言葉を使用しています。二人の取り上げた症例は同じではありませんが、アスペルガーは幾つかの類似点も認めています。
大きく違う点として、カナーの症例は「生後30ヶ月以内に出現する」としているのに対し、アスペルガーの症例は「3歳を過ぎるまであるいは就学まで異常に気づかない」としています。自閉症の三つ組と称される基本症状のうち、コミュニケーションの障害があまり見られないものをアスペルガー症候群と言います。



軽度発達障害フォーラム

トップページ

LD 学習障害

PDD 広汎性発達障害

ADHD 注意欠陥多動性障害

発達障害に関わる情報

会議室

親の会・研究機関・相談機関

その他

 当サイトは学習障害,広範性発達障害,注意欠陥多動性障害等の情報を提供し、話し合う場になることを目的に 滋賀県健康福祉産業創出支援事業費助成金の助成を受け2002年に制作されました。
 現在「軽度発達障害」という言葉は障害の影響が軽度であるという誤解を受けるため、単に「発達障害」に改められましたが、当サイトではこのような経緯を理解しながらも、サイトの継続性を考えてこの名称を使っていることをご了承ください。、