「児童生徒理解に関するチェック・リスト」

T 「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」について
「児童生徒理解に関するチェック・リスト」は、文部科学省が平成14年に実施した、学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD )、高機能自閉症など、通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する全国実態調査で作成されたものです。
チェックにあたっては、『同学年の児童生徒と比較してどうか』をポイントにチェックしてください。
本チェック・リストは、指導者が子ども理解を深め指導の一助とするためのものです。
障害の判別を目的としたものではありません。
【次の4段階で回答】
状   態
得点
ない
まれにある
ときどきある
よくある
質  問  項  目
 
聞く
聞き間違いがある(「 知った」を「行った」と聞き間違える)
聞きもらしがある
個別に言われると聞き取れるが、集団場面では難しい
指示の理解が難しい
話し合いが難しい(話し合いの流れが理解できず、ついていけない)
話す
適切な速さで話すことが難しい
(たどたどしく話す。とても早口である)
ことばにつまったりする
単語を羅列したり、短い文で内容的に乏しい話をする
思いつくままに話すなど、筋道の通った話をするのが難しい
内容を分かりやすく伝えることが難しい
読む
初めて出てきた語や、普段あまり使わない語などを読み間違える
文中の語句や行を抜かしたり、または繰り返し読んだりする
音読が遅い
勝手読みがある(「いきました」を「いました」と読む)
文章の要点を正しく読みとることが難しい
書く
読みにくい字を書く(字の形や大きさが整っていない。まっすぐに書けない)
独特の筆順で書く
漢字のこまかい部分を書き間違える
句読点が抜けたり、正しく打つことができない
限られた量の作文や、決まったパターンの文章しか書かない
計算
学年相応の数の意味や表し方についての理解が難しい
(三千四十七を300047や347と書く。分母の大きい方が分数の値として大きいと思っている)
簡単な計算が暗算できない
計算をするのにとても時間がかかる
答えを得るのにいくつかの手続きを要する問題を解くのが難しい
(四則混合の計算。2つの立式を必要とする計算)
学年相応の文章題を解くのが難しい
推論
学年相応の量を比較することや、量を表す単位を理解することが難しい(長さやかさの比較。「15pは150o」ということ)
学年相応の図形を描くことが難しい
(丸やひし形などの図形の模写。見取り図や展開図)
事物の因果関係を理解することが難しい
目的に沿って行動を計画し、必要に応じてそれを修正することが難しい
早合点や、飛躍した考えをする