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生活リズム |
生活リズムと生体時計
人間をはじめとする多くの生物は、基本的なリズム(活動する・休む・眠る)および体内の働き(自律神経機能・内分泌機能・代謝機能などのさまざまな生体機能)が1日に約25時間を周期とするリズムで変動しています。そして、この変動のリズムをもたらしているものを生体時計(体内時計)と呼びます。ヒトの生体時計は実際の1日24時間より約1時間長いので、社会生活を維持していくためには、1日24時間を周期とする生活リズムに調整していかなければなりません。この生活リズムが狂ってしまうと、不眠症、うつ、不登校、全身倦怠感、注意集中困難、イライラ、学習困難、自閉傾向などのさまざまな症状が出現します。不眠症は入眠困難という形で現れ、遅寝遅起きになります。近年、発達障害や夜型生活との関連で増加している睡眠相後退症候群は、子どもの身体・知能の発達、さらには不登校、神経症、自閉傾向を強めるとして注目されています。では、どのようにして生活リズムを24時間にリセットして規則正しい生活にすればよいのでしょうか?
生活リズムをリセットする因子として以下のものがあります。
1 光による明暗(昼と夜)
2 社会的因子(家庭・学校・会社・仕事・遊びなど)
3 食事
4 身体的運動
5 環境(温度・湿度・騒音・振動など)
この中で、朝の光を浴びること、朝食、日中の運動がもっとも強い同調因子です。朝のジョギングや歩いて登校するなどの活動はこれらをすべて満たしてくれるといってもいいでしょう。特に、生活リズムによって自閉症児の症状が助長されることが知られています。
睡眠について
生活リズムと大いに関連のある睡眠について、考えてみましょう。睡眠を阻害する因子の中で、ストレスが占める割合は一番大きいのか
もしれません。一般によく聞かれる不眠症とは、心身の健康を維持するために必要な夜間の睡眠が量的または質的に不足し、昼間の日常生
活に支障をきたしたりストレスを抱え込んでいる状態のことをいいます。逆に、睡眠に問題がないということは、日中眠気がなく、心身共に健康に生活できる睡眠がとれるということです。
ここで、睡眠障害の4つのタイプを見てみましょう。
入眠障害
布団に入ってもなかなか寝つけないタイプ。不眠の中ではもっとも訴えの多い症状。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚めてしまい、再び寝つくのが難しいタイプ。
熟眠障害
睡眠時間のわりには、朝起きた時にぐっすり眠った感じがしないタイプ。
早朝覚醒
朝早く目覚めてしまい、まだ眠りたいのに眠れなくなるタイプ。高齢者に多いのが特徴。
睡眠相後退症候群
夜なかなか寝つけず、朝はなかなか起きることができない状態が極端に悪いもので、最も多いのが、通常夜中の2時から朝の6時頃まで
眠れず、そのため朝はまったく起きられなくなるというパターンです。一旦眠ると普通に眠れますが、その眠る時間帯が社会のリズムとず
れているため社会適応が困難になります。遅刻や欠席が多く、また日中に強い眠気に襲われたり、授業に集中できないといった障害がおこ
ります。このように学校に適応できない状態が続くと二次的に抑うつ状態、不登校、ひきこもりになることも稀ではありません。
中高校生の不眠患者の約半数がDSPSといわれており、思春期での発病率がもっとも高く、典型的なDSPS患者は発病前から夜型人間の傾向
が強く、感覚過敏のある広汎性発達障害や、ゲーム・携帯電話などにはまっている場合に多く見られます。
また、DSPSが不登校の原因かもしくは結果かについての判断は難しいですが、両者は深く関係しており、DSPSの治療をすることで不登校
から立ち直ることができたケースも多く見られます。DSPSの病態生理は、睡眠相だけでなく、深部体温のリズムや脳のメラトニン(睡眠を
制御するホルモン)の分泌リズムが遅れており、このため生体リズムが後退したまま固定され、外部環境に同調できない状態となることが
わかっています。
では、DSPSを改善するための早寝早起きの工夫をみてみましょう。
・日当たりの良いベッド
・朝にカーテンを開ける
・朝は必ず起きる
・起きたらすぐに着替える
・朝に日光を浴びる
・日中に身体を動かす
・入眠3時間前から照明を落とす
・昼寝をしない
・メラトニン療法
・高照度光療法
・ビタミンB12
・朝食をしっかりとる
朝食は一日の活動の源ともなります。国立健康・栄養研究所食品科学部の平原文子氏は、医学部の学生を対象とした朝食と学業に関する調査を行い、その結果によると、朝食をきちんと食べている学生は学業成績や成績順位がよく、また年間の講義欠席時限数も少ないことがわかったそうです。
早寝早起きには、「早起きをつづけること」からはじめることが大切です。
参考 「早起きサイト;子どもの早起きを進める会」
(http://hayaoki.jp/)
快眠のための工夫
心身に刺激を与えるようなものはできるだけ避けた方がよいでしょう。例えば、寝る前のアルコールは不安を抑えたり、緊張をほぐす作用
で効果的な一面もあるのですが、作用が長続きしないために夜中や早朝に目が覚めてしまう逆効果もあり、かえって睡眠が不安定になってし
まいます。
1.寝る前の工夫
寝る1〜2時間前から脳をリラックスさせることが大切です。一旦布団に入った後でも、眠れない時は無理に眠ろうとせず、布団を出て気分を
変えるのも一つの方法です。できれば眠くなるまで布団には入らないようにしましょう。また、布団の中で、好きな本を読む、携帯電話、
ゲームなどをしないようにしましょう。他には
・ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
・カフェインが含まれていないハーブティを飲む
・眠りを誘う音楽や心が落ち着くビデオを鑑賞
・空腹の時はホットミルクを飲む
・就眠3時間前から室内の照明をダウンさせる
(真っ暗より薄暗い程度、蛍光灯より白熱灯、直接照明より間接照明)
・寝袋、身体を強くしばる、マッサージなどの刺激がよいことも
・就眠儀式はあったほうがいい (歯磨き、ストレッチ、ぬいぐるみなど)
が挙げられます。
2.寝る前に避けたほうがよいこと
・熱いお風呂に入ること
・コーヒーや紅茶などカフェインを含む飲み物
・寝る前のおやつや食事
・睡眠薬がわりの寝酒
・勉強や激しい運動
・テレビ、ゲーム、パソコンなど、ニュースは以外に刺激的ですので
避けたほうがいいでしょう。
・寝る前の喫煙
・明るすぎる室内照明(明るい蛍光灯やコンビニエンスストアなど)
テレビ、ビデオ、ゲームなどさまざまなメディアに溢れる現代、子どもに対する影響・問題が大きく取り上げられています。日本小児科医会では、『「子どもとメディア」の問題に対する提言』の中で具体的提言として、次の5つを取り上げています。(http: //jpa.umin.jp/image/PDF/info/proposal01.pdf より引用)
@2歳までのテレビ・ビデオ視聴はひかえましょう。
A授乳中、食事中のテレビ・ビデオ視聴は止めましょう。
Bすべてのメディアへ接触する、総時間を制限することが重要です。
1日2時間までを目安と考えます。
C子ども部屋には、テレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを
置かないようにしましょう。
D保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。
*ここで述べるメディアとは、テレビ、ビデオ、テレビゲーム、インターネット、携帯電話などを意味します。乳児・幼児期ではテレビとビデオ、学童期ではそれに加えてテレビゲームや携帯型ゲーム、思春期以降ではインターネットや携帯電話が問題となります。
寝室の環境
物音や照明などの刺激を避け、落ち着いた寝室環境をつくることが大切です。
(1)音
家庭内では家族が協力。外からの騒音には二重サッシや雨戸、
厚手のカーテンなどで防音対策を。
(2)光
寝る時の明るさとしては、おぼろげに物の形が見える程度が良いとされて
います。ただし人によって好みがありますので、明るさを調節できるスタ
ンドやフットライトでベストな環境を整えます。
(3)温度・湿度
一般的に理想とされる室温は夏が25℃、冬が15℃、湿度は年間を通して50
%といわれています。エアコンなどで温度調節するといいですが、冬場は
空気が乾燥するので保湿器なども活用します。
(4)インテリア・雰囲気
刺激の強い色彩は避け、昼間のストレスを思い出させるような仕事の書類
なども持ち込まない方がいいでしょう。
(5)アレルギー
咳や鼻づまりがあるときはアレルギー対策も必要です。
4.寝具の工夫
(1)敷布団
柔らかすぎると身体が沈み、そこに圧力がかかるため腰痛・肩こりの原因
に。また硬すぎると毛細血管が圧迫されるので、重心のかかる頭・肩・腰
などをしっかり支える適度な硬さが必要です。
(2)掛け布団
汗を吸収しやすく保温性のあるものが理想。羊毛や羽毛などの天然素材は
軽くて寝返りを妨げないのでおすすめ。枕:理想としては頸椎(けいつい)
の自然なカーブが保てる高さと形状であることが大切。ただし、体型や好
みによって差があるので、最適のものを選ぶとよいでしょう。
お薬について
昔の睡眠薬は、大量に服用すると生命にも危険性があり、クセ(依存症)になるなどの問題がありました。最近の新しいタイプの睡眠薬は、安全性が改善され ていますし、眠れない時にだけ飲んでも有効で、自然な睡眠が得られるように改善されています。眠れずに困っている方は、医師にご相談されるとよいかもしれません。
生活リズムを整えよう
障害の種類に関わらず、また、テレビやゲームのしすぎなどにより、生活リズムの乱れている子どもも多く見られます。子どもが衣食住に関わる基本的な行 動・習慣を身に付けるためにも、約束を決めて子どもがしたいことをする「時間」を保障しながら、まずは親が子どもの生活リズムをコントロールすることが重 要です。さらに、タイムスケジュールのような簡単な表などを使い、目に見える形で評価することでより意識しやすくなるでしょう。
生活リズム日誌をつけてみよう!→睡眠・学習・テレビゲームの時間ごとに色分けしてみましょう。
また、その日の気分を4段階で評価しておきましょう。
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